糖尿病について

糖尿病

糖尿病は1型、2型、妊娠糖尿病等に分類される。

実際に日本人の糖尿病のほとんどは大人になったあとの不適切な生活習慣(過食、運動不足)によって発症する2型糖尿病です。

糖尿病は血管病と言われるほどに糖尿病特有の細小血管症や大血管症(いわゆる動脈硬化)がおこり、心血管や脳血管障害の発症・進展を促進する。

糖尿病性網膜症は失明率の原因第2位である。

糖尿病性腎症による腎不全は透析導入の原因第1位である。

1型糖尿病

生命維持のためにインスリン注射を必要とする。若年者に発症が多い。
中高年の2型糖尿病と思われる患者の中に
緩徐進行1型糖尿病と呼ばれ、しだいにインスリン欠乏が顕著になるタイプがある。

2型糖尿病

糖尿病の90%以上はこのタイプである。
全く無症状で検診等で偶然発見されるものが多い。
口渇、多飲、多尿、体重減少、全身倦怠感、性欲減退等を契機に受診
する場合がある。
糖尿病の特徴は、多くの場合、自覚症状に乏しく発症時期は正確にわからないことがほとんどである。
血糖が300mg/dLを超える程度になってくると、口渇、多飲、多尿が現われる。
さらに脂肪や筋肉の分解が進むと(異化亢進)、体重減少しやせになる。

糖尿病発症後、比較的早期に末梢神経障害などが細小血管合併症が認められる。

治療介入がなければ15~20年で失明や透析治療、壊疽による足切断などのリスクが高まる。

一方、大血管合併症は境界型糖尿病の時期より始まり、最終的に心筋梗塞や脳卒中、末梢動脈疾患へと進んでいく。
糖尿病患者の寿命は健康人に比べ10年程度短いといわれている。
近年、認知症や骨粗しょう症、歯周病などが糖尿病合併症として新たに認知され始めた。

糖尿病の急性合併症

糖尿病性昏睡

糖尿病が悪化して高血糖状態が進行すると意識障害をきたす。これを糖尿病性昏睡と呼ぶ。

糖尿病の慢性合併症

a.細小血管障害

糖尿病網膜症

成人の失明の大きな原因である。

糖尿病腎症

透析導入の原因として糖尿病腎症が第1位である。

b.糖尿病性神経障害

足先から始まるしびれ、アキレス腱反射の消失、電気が走るような痛み、自律神経障害では便秘、発汗異常、起立性低血圧、勃起障害等がある。

c.糖尿病性大血管障害(動脈硬化症)

糖尿病では動脈硬化性疾患の狭心症、心筋梗塞、脳血管障害、下肢閉塞性動脈硬化が進展し、死因の大きな部分を占めるようになってきた。そのほか糖尿病では免疫力が低下し、重症感染症に陥りやすい。

治療

糖尿病は長期にわたり治療が必要といわれます。良好な血糖コントロールをめざし、合併症の発症を防がなくてはなりません。
食事・運動療法・薬物療法等が必要です。

比較的最近には、インクレチン関連薬のDPP-4阻害薬とGLP-1受容体作動薬があるいはSGLT2阻害薬といった新しい薬ができました。

最近GLP-1受容体作動薬の経口薬ができて、効果が期待されます。